April 16, 2014

海賊版と海賊盤

海賊版キットというと以前はキャストキットがほとんどで
自作原型を商品化許諾を得ることなく複製し販売するもの、
若しくは正規品をリキャストして販売するいわゆるコピー品が主だった。
インジェクションキットでも正規キットをならい金型を起こし成形した
コピーキットと呼ばれるものは以前からある。

それらコピーキットの多くは寸法精度が曖昧であるため
組み立てにくい、或いは組み立てられないというキットも少なくない。

近年では設計から金型、成形を独力で行った海賊版キットが増えてきている。
寸法管理も行われているため、クオリティも確かに上がってきている。
しかし、版権元より商品化許諾を得ずに生産販売を行っている訳だから
クオリティがいかに高くてもそれらは海賊版であることに変わりはない。

国内にいるとあまり目にする機会のないそれら海賊版キットだが
"ガンプラ"として海外で流通している種類、量は思いのほか多い。

海賊版と知らずにガンプラとして買っている人も勿論いる訳だが
海賊版であることを認識して買っている人も多いらしい。
彼らの言い分は、正規品は高いから安価な海賊版を買っている、
正規品には無いMSが商品化されているから買っている、
という2点にほぼ集約される。
ネットコミュニティの中には海賊版を積極的に応援するものすらあるという。

海賊版をありがたがるという嗜好は確かにあるかもしれない。
海賊盤レコードを手にしたことのある同年輩は少なくなかろう。
レコードの場合、海賊盤の多くは隠し録りしたライブ音源だったりする訳で
スタジオで作られたアルバムとは異なる、
ということから珍重する向きも確かにあった。
「パープル三期のベストはやっぱり"Live in London"だろぅ…」
なんてことを言って悦に入る、今でいう中二病的な小僧は数十年前からいた。

ただ、海賊版キットをありがたがるマインドというのは
海賊盤レコードをありがたがっていた中二病的小僧のマインドとは些か異なる。
どちらも非合法であることには変わらないので
どっちが良い悪いというような話ではなく目糞鼻糞であるのは間違いないのだが
海賊盤レコードの場合、そのバリューである演奏、アーティストは本物ではある。
海賊版キットの場合、どれほど高いクオリティで作られたものでも
商品化許諾を受けていない以上、それはガンプラではない。
海賊盤の例に当てはめるならば、
コピーバンドの演奏を「やっぱ本物最高!」と、ありがたがっているようなもので
見ようによっては甚だ滑稽とも言えるかもしれない。

詭弁っちゃぁ詭弁だけどねw

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January 31, 2014

徒花の果たした役割

去年の12月に自主誕生日イベント的な催しを
同じ誕生日のスタイルキューブのなみぞうさんと一緒にやった訳だが
その折に自分年表を作ることになり、改めてこれまでを振り返ってみた。
年度ごとにトピックを埋めていくと微妙な記憶違いなどもあり
併せてその折々の記憶を更新させることが出来た。

今年ガンダム35周年、そして来年ガンプラ35周年ということもあり
昨年末あたりから生き証人的な形で様々な媒体からのインタビューを
お受けする機会が増えている。
記憶を更新させていたのが功を奏して
部分的ながら確かな記憶に基づくお話をさせていただいている。

ガンプラ35年を振り返る的な企画は
各社各ご担当者によりその切り口や解釈が微妙に異なる訳だが
それは担当された方の経験や価値観に拠るもので
商品個々への思い入れなども人によって違うことがリアルに感じられて
取材を受ける側としてもそれはそれで面白かったりする。

本放送終了後に商品が発売され、再放送と劇場版三部作という映像コンテンツ、
HJとボンボンという異なる読者層を持つ出版メディアを通じた情報発信を背景に
ガンプラブームと呼ばれるムーブメントがあり、
劇中MSの商品化に次ぎMSVそしてTV続編のZガンダムに至る過程というのは
概ね誰しもが思い起こすことが出来るガンプラのメインストリームではある。

その流れの合間にリリーフ的に現れた
リアルタイプモデル、メカニックモデル、情景セットといった商品は
商品化の進展に伴いやり尽くした上でのメーカーの試行錯誤として認識され
徒花として記録にとどめられているに過ぎない感がある。

自分も実際にそういうことだとは思うのだが、
あのタイミングであれらの商品が存在したことには意味があったんじゃないか…
などと最近は思ったりもする。

同スケールでコレクションする、更に設定や劇中のイメージに近づけるために改造する、
というのはガンプラが世に出た時から今に至る代表的なガンプラとの向き合い方だが
シーンを再現・表現するディオラマ、内部メカの作り込み見せるカットモデルといった
それまでの模型シーンで培われてきた手法も
ガンプラの楽しみ方の選択肢として用いられた。

しかし、プラモデル初体験がガンプラであった子供たちにとって
そうした模型の国の様々な楽しみ方の手法は毛頭知る由もなく
雑誌を飾る作例で初めて接する選択肢であったという子も少なくなかろう。

TVと違う好きな色で塗っていいんだ…
小さなマークをいっぱい入れるとカッコよくなる…
弾が当たればガンダムでも壊れるんだ…
対決してるところを作ってみたい…

様々な思いを抱きながら作例を見て真似した子も多かったはずだが
もとより初めての子が最初から上手くできるはずはない。
リアルタイプモデル、メカニックモデル、情景セットに
コレがあれば出来るかもしれないという気持ちを抱いた子もいたかもしれない。
雑誌情報とは縁があまり無かった子はそれら商品に接して初めて
塗装、マーキング、ディオラマ、カットモデルといった
模型的選択肢を認識した子もいたかもしれない。

メーカーの窮余の上での商品ラインナップであったかもしれないそれら徒花は
ガンプラの模型としての選択肢を提示するものでもあり、
ガンプラの持つバリューを商品として広める役割を結果的に担っていたように思える。

翻って現在のガンプラシーンに於いて我々はガンプラの持つバリュー、
楽しみ方の選択肢をお客様に発信できているだろうか。

「ガンプラは自由に作っていいんだ!」というGBFのメッセージは
優れたビルダーであるセイくんの行き詰まりを越えたところで至った境地な訳だが、
"自由"というのも存外難しいもので、
GBF16話で初めてガンプラを作ったレイジに「自由に作っていいんだよ」と言っても
その"自由"というモノがどういうものか多分見当がつかないんじゃないだろうか。

GBF5話の冒頭でラルさんはレイジに対し
ガンプラのバリューはガンプラファイトだけではないことを諭した。

意識的に"自由"なものを作ろうとするとそこにはある程度の知識や経験が求められる。
自分が子供の頃に壊れた模型を集めて多砲塔超戦車や双胴超戦艦をでっちあげたり
委員長ちゃんがベアッガイさんの中に綿を入れるような
無邪気な"自由"とは若干趣が異なる。
それはそれで大事な資質なのだが、いろんなことを知ってしまっている今の自分らには
なかなかそうした無邪気な"自由"を求めることは難しい。

少なくとも"自由"に作るためのきっかけは
やはり我々がガンプラの可能性を考え、選択肢として発信すべきものであろう。
そうした選択肢を受け取ったお客様がどれを選び、
または敢えて選ばずガンプラを楽しんでいただくか、というのも"自由"の範疇にある。

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December 27, 2013

ガンダムビルドファイターズのリアル

HG 1/144 WGフェニーチェをどんな感じで仕上げようかなぁ…
トリコローレの機体、イタリアの伊達男、ナンパの道具にガンプラを使うヤツ、
というようなキーワードを並べながらイメージしたのはピカピカに磨き上げた機体。

F1マシーンのような雰囲気だろうか…
色合い的には80年代末のベネトンのような感じ?
スポンサーロゴみたいなのは入ってるんかなぁ?
というような妄想を広げながら完成形のイメージを固めていく。

オフセットされた翼はちょっと伸ばして主張を強くしようか…
ビームマントはキット付属の成型品でもいいけど、もっとなびいた感じが欲しいから
すけるくんとか透明粘土あたりをお試しで使ってみようか…
というような工作系のプランも膨らませていく。

1/144でオッドアイを印象的に見せるにはどうしよう…
ギリの範囲で目を大きくする?
ひさしを少しえぐって露出範囲を大きくする?
とりとめもなくそんなことを考えるというのも模型的なお楽しみだ、
と俺的には思っている。

頭部の破損箇所はどんな感じで仕上げよう…と思った時に思考が止まった。

これはBFモビルスーツのMG化の際にも議論されたところではあるのだが
GBF世界のMSはあくまでもガンプラなのだから
1/144キットを組み仕上げたものが一義的にはリアルとされるんではないか。
だとするとMGのビルドストライクってあり得なくない?

ビルダーが作ったガンプラは、もしホンモノがあったとしたら
こうなっているんじゃないだろうか…というアプローチでつくられた作品だから
MG化に際してのリアルはあくまでも劇中のビルダーが想像したモビルスーツを
1/100で作ったとしたらどんなガンプラになっているだろうか、
ということで商品像を構築するのが良いのではないか等々。

フェニーチェに話を戻すと、ガンプラに於いて何を持ってリアルとするのか、
というのはカワグチの場合、実際の製作プランに大きく影響する。
そもそもどうして付いた傷なのか?
破損した部分は成型色が見えてるんだろうか?
リペアできるはずなのにそのままにしてる訳だから
傷も含めて意匠として仕上げてるのかもしれない。
だったら通常のガンプラで表現するダメージ風にわざわざ仕上げているかも?

そんな些細なことなど傍から見るとどうでもいいことかもしれない。

それでもそういうところにこだわって色々思考を巡らすのは
義務感から来る訳でも、自分にルールを課しているからでもない。
単にプラモデルというプロダクトを前にしていろんなことを考えるのが楽しいからで
それを表現した時に画像を見た人はどう反応してくれるだろうか、
といったヤマっ気によるものだったりする。

折々に完成形のイメージを具体的にしておくといいですよ、
というような話もしてきた訳だが、
それがお作法になってしまうのはやはり楽しくない訳で、
些細なことを大げさに考えるバカバカしさこそが
自分にとっての模型趣味のお楽しみの根底にあるのかもしれない…
などと思う訳ですよ。

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September 19, 2013

MS-06C改 ~ザクⅡオデッサ鉱山基地仕様~

俺呼称『ミズオザク』。
前日記でも触れたがビッグコミック スピリッツで連載されている
『プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-』の劇中で
主人公のミズオが作っているいわゆる"オラザク"なのだが、
実際に作ることにした。

Mizuo001
という訳で、早速ベースキットとなる
MG F型ザクver.2.0を確保、
コミックスの流れを踏まえ製作に入ることになる。

ただ、劇中で描かれているシーン
だけではもちろん足りないところもあり
完成させられるための情報が揃っている訳ではない。
(実際まだ劇中でも完成してないし…)
実際に使用するツールや
製作に際しての癖などは
ミズオとカワグチではかなり異なる。
ということで、
あくまでもコミックスの描写を参考に
ミズオが目指すMS-06C改を
カワグチ流で作る、ということになる。

実際には様々な作業を行っていくことになるのだが
とりあえず大きなポイントとなるであろう点(見せ場)は
■スパイク無しの左肩ショルダーアーマーの加工
■縦ロールが追加されたモノアイと頭部外装の加工
■S型準拠とされるランドセルの加工
■宇宙空間仕様型の地上配備に伴うアレンジ
■マシンガンの新造

ということになろうか。

とうことで、実際にはSNS上でオンタイムで進行している作業をおまとめして
ブログでは紹介するので、以下の画像詳細に関しては
元画像を参照いただくと良いかもしれない。

【左肩ショルダーアーマーの加工】

Mizuo002
劇中ではスパイク跡をノギスで測るシーンがあるが、確かに10mm。
径を合わせた円盤をプラ板から切り出し貼る訳だが
劇中のミズオザクには蓋の周りに縁があるので、ここは俺解釈で追加加工する。

0.5mmプラ板上でテンプレートの11mm径の円をケガキ針で描き
カッターで切り出しヤスリで整形して円盤を作る。
スパイク跡になるアーマーの開口部の周囲をヤスリで軽くやすり、
接着面となる平面を出し、円盤を溶剤系接着剤でしっかり接着する。

僅かな縁を残して内ぐりするので接着剤が完全硬化し
プラ板とパーツが同化するまで1日ほど放置。

元画像1元画像2

Mizuo003
翌日、蓋がパーツと同化したところで(多分)
センターにドリル刃で3mm位の穴を開け、デザインナイフで穴を広げていく。
ある程度広がったところでリーマーで更に穴を広げ、
縁の部分を僅かに残すところまで慎重に開口していく。
力を入れすぎると縁が割れてしまうので最後は超慎重に。

縁の整形には800番くらいの紙やすりでこれまた慎重に行うが、
リーマーをお持ちでない方は縁に近いところまでデザインナイフで穴を広げ
240番くらいの粗い紙やすりで内ぐりして最後に前述のように整形する、
という方法でも可。

ミズオザクのディティールはRGザクのそれに準拠しているようなので
アーマー外周の縁と若干のスジ彫りが必要になるので
劇中では描かれていないがその辺りも加工しておこう。

アーマー表面へのスジ彫りはアーマー外周辺に平行なラインが4本入る。
平行を出すために任意の幅で切り出したプラ板をガイドに
アーマーとプラ板がズレないよう気をつけながらアタリのラインを引く。

平行に引けているのが確認できたらスジ彫りを入れる訳だが、
5枚重ねで厚みを出したマスキングテープから幅2mmくらいの帯を切り出し
アーマー上のアタリのラインに沿って貼る。
細切りテープは曲面へも確実にフィットし、
多少の曲線であればしっかりラインを出すことが出来る。
貼り重ね厚みを出したのはカッターでラインを引く時のガイドとして
確実性を高めるため…ということです。

アーマーの縁に関しては、カワグチ的には補強目的に別材が重ねて貼られている、
という解釈なので、スジ彫りではなくプラ板を使い段差を出すことにした。

縁の位置決めをするために先ほどのプラ板をあてるのと同じ効果を求め
プラ材でラインを引くための治具を作り外縁端から3.5mm、4mmの位置で線を引く。

0.3mmプラ板から1mm弱幅の帯を切り出し指先で軽くしごいてカールさせ
曲面に馴染みやすくし、3.5mm線に沿って少しづつ接着剤で貼り押さえ固着させる。

1mm幅に切った0.3mmプラ板を均等になるようアーマーから実測した長さでカットし
台形に切り出したプラ板をアーマー上のプラ線に合わせ貼っていく。
アタリ線を4mmで引いたのはクロスする箇所の台形の上辺の位置決めをし、
辺上の台形のセンターを横切るラインであれば位置決めも出来るという判断から。

プラ板の貼り合わせで縁のラインを作っているので表面は平滑ではないが
ラインをきれいに出したいということで多少手間がかかるが今回このような方法を採った。

元画像3元画像4

Mizuo004
縁を形成するプラ板が接着剤により完全に固着したあと、瞬間硬化パテを練り
プラ板のラインから外周方向に盛っていく。

パテが硬化したらカッターで大まかな形を削り出し、紙やすりで整形する。
瞬間硬化パテは切削面上に細かい気泡が残るのでサーフェイサーを吹きつけ気泡を埋める。

元画像5元画像6

Mizuo005
基本作業が終わるとこんな感じ。


Mizuo006
肩アーマーの基本的な作業が終わったところで蓋を作る。
劇中ではディバイダーでプラ板に円をけがき、サークルカッターでカットするらしいが
(実際の作業はイエナの絡みで描かれていなかったりするw)
ディバイダーの場合中心に針跡が残るのがなんとなく嫌だったので
縁を作った時と同様にテンプレートとケガキ針を使って円盤を切り出した。
よく考えてみると蓋のセンターは加工するので跡も何も関係ないのだが…。
使用したプラ板は1mmと0.5mmの貼り合わせたもの。

円盤の外周を整形し、アーマーの開口部に収まるかどうか確認しながら調整する。
蓋の表面は軽くアールが付き曲面になっているので外形を粗目のヤスリで削り出す。
その後、卓面に両面テープで円盤を固定し、600番くらいの紙やすりで整形する。
この時に均一な曲面に整形するため、指の腹の弾力を使って
軽くやすりながら全体形を整えていく。

蓋表面の整形が終了した後、両面テープで固定されたままの状態で
再度テンプレートをあててセンターを決め中心線を引きカッターでアタリを引く。

蓋面上の線は劇中ではスジ彫りのように見えるカットもあるが
ある程度の幅を持った段落ち面のように見えるカットもある。
ここではやや幅のあるスジ彫りと解釈し、カッターで引いたアタリ線に沿って
レザーソーで軽く溝を切っていった。
溝の深さと溝の形を整えるため、目立てヤスリで整形し、
800番くらいの紙やすりで全体を再度整形し、アーマー開口部にあてる。

納まりに問題が無いようであれば溶剤系流し込み用接着剤で固定する。

元画像7元画像8

Mizuo007
ということで、左肩ショルダーアーマーの加工は終了。


現状、作業としてはここまでということで、ミズオには全然追いついていないが
ここはまぁ、基本に忠実に(愚直に?)作業段取りを考えながら
あくまでもカワグチ流で作っていきたいと思う訳です。

目標としては11月に秋葉で行われるガンプラEXPOで昨年同様に
ガンプラ製作実演を行うことになると思うので、
その時に完成させる…というのが美しいかなw

その近辺で単行本の3巻も多分出ると思うし。

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September 12, 2013

ミズオザクをコミックスを見ながら実際に作ってみよう企画

ビッグコミック スピリッツで連載されている
『プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-』
のコミックス2巻が先月末に出た。

編集の方々や作者さんたちとお会いする機会などもあり
連載スタート時よりご縁浅からぬ作品ということで見守っていたりする。

どんなお話しなのかは下記小学館さんとこのURLから飛んでいただき
ご確認いただければとは思うのだが、
先日Twitter上で、本編中で描かれている主人公ミズオが作っている
MGザクの改造機を劇中のレシピで作れるんだろうか…
と呟いたところ、「無理!」というリプをいただいた。

ドラマを追いながらプラモ製作レシピを上げていくというのは
人によっては中途半端感を感じるのかもしれない。
それでも、カワグチ的にはこのコミックスに
かつてのコミックボンボンの記事ページを見ているような既視感を感じていたりする。
伝説となっている腕時計のバンドを使ったパーフェクトガンダムなどは
多くの読者が夢にみながら「無理!」と思ったんではなかろうか。
初めて見聞きするツールやマテリアルに戸惑いながら
いつかは作ってみたいという憧れがあったのではなかろうか。

確かにボンボンの記事は実際に製作された作例の解説ということで
説得力ありまくり、というのがミズオザクとの決定的な違いなのだが
ポイントになるところはコミックスの描写に可能な限り倣い
レシピをベースに自分流のアプローチも込み込みで臨めば
「全く無理!」ということはさすがに無いだろう。

ということで、改めて
『プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-』のミズオザクを
コミックスを見ながら実際に作ってみよう企画
を個人的にやってみようと思う。

合コンで知り合ったお嬢ちゃんが家に転がり込んでくる
というようなハプニングを望んでいる訳ではないし、
ミズオほどの情熱を持ち合わせている訳ではないのだが
作るきっかけ(ネタ?)としては面白い題材だとは感じている。
模型の国の「妄想力」の楽しさ、大事さを普段から口にしている身としては
ミズオの妄想をただの妄想で終わらせるのはもったいないと思うし
模型の国の住人さんであれば100%とは言わないまでも
ミズオの妄想を我が事に置き換えて楽しんでいただける余地はあると思う。

もっとも、ミズオが完成させてくれないとこのネタは未完で終わってしまう訳だが
塗色も含めた完成形のイメージはコミックス1巻の表紙にあったりするので
そのあたりのイメージも踏まえながら、とりあえずはこれから始めて
現状に追いつければ…というのが最初のステップだと思っていたりする。

さて、まずはMG ザクF型 ver.2.0を買って来るところから…だなw


プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-/小学館

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August 29, 2013

【告知】 この夏一番長い日

今日ではなく明日8/30なんですけどね。

東海エリア限定になるんですが
明日の朝ZIP-FMの"Morning Charge"という番組に
電話出演させていただくことになってるんですよ。
数分ですけどw

で、7:30までに出社してフロアで待機、
先方から回線確認の電話をいただいた後に本番という次第。
時間的には朝7:45~
ということになってたりします。

その後、通常通りの業務が始まった後に
土日のキャラホビに備えて幕張メッセに行き
ブース設営に加わり飾り付け。

ブース飾り付け終了後に初日のビルドファイターズステージのリハ。
メインステージのリハ順的には一番最後ということで
スタートは20時以降に始まるらしく
終了後は近隣のホテル泊ということになってる訳です。

文字通り朝から晩までコースな訳ですが
作りモノ仕事をしてる時はもっと時間を要している訳ですが
心構えと自分のペースが全く別モノなので
なんとなく決戦前夜な気分ではあったりしますw

で、キャラホビでは8/31の午前中にビルドファイターズステージに
ちょぴっとではありますが登壇させていただき、
翌9/1は午後からキャラホビ主催ブース「リアルロボット博物館」で
クリエイターズトークサミットというトークライブで
MC的な役割を仰せつかっていたりする訳です。

世間的には夏休み最終イベントということで
気持ち的には夏の総決算な感じだったりします。

ZIP-FM Morning Charge
キャラホビ2013 C3×HOBBY

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April 17, 2013

GBWC2012 優勝作品評

海外版GUNDAM.INFOで昨年のGBWCで世界チャンピオンとなった
オープン、ジュニア部門の作品に対するコメントをアップロードしていただいた。

日本語版インフォではフォローしていないので
勝手に原文を載せてみたりなど・・・

【ジュニア部門】

インドネシア

20130417a
20130417b
機体を大きく見せる特徴的な翼や隈取を連想させる配色により
"カブキ"というタイトルが上手く表現されています。

単純な塗り分けに終わらず、
アクセントとなるワンポイントの赤やマーキングとの組み合わせのバランスは
作者のセンスの高さが感じられます。

ベースに関しては、MS本体と似たテイストで仕上げられていますが、
MS本体をより際立たせる効果を狙うのであれば
歌舞伎に対する知識にもよりますが、
"舞台"をイメージさせる配色、意匠などを盛り込み
MS本体とは異なるテイストでまとめると良いかもしれません。

【オープン部門】

香港

20130417c
20130417d
MSの機能拡大をイメージしながら様々なパーツを付けてMA化的な造形表現を行う、
というアプローチはコンテストでは時折見られる題材です。

今回優勝した作品はMS本体を埋め尽くす個々の装備の
工作精度の高さと緻密な塗装を評価しました。

このようなテーマで作られる作品の中には
ボリュームと見栄えの雰囲気を優先したものも少なくありませんが
仕上がりの粗さが目に付くものが多いという面もあり、
ガンダム世界のイメージとはかけ離れた作品も時折目にします。

また、素材としてリゼルを用いている点も評価しました。
宇宙世紀というガンダムの世界で、リゼルであれば、
このような装備が検討されたかもしれない、
と感じさせる設定的な説得力も
見る者へのアピールとしては有効だと思われます。

ということで、GBWCは今年も開催される。

海外版インフォ該当ページ
■英文版
 http://en.gundam.info/topics/white/21501?region=all&cat
■中文版(簡体)
 http://cn.gundam.info/topics/white/21500?region=all&cat
■中文版(繁体・香港)
 http://hk.gundam.info/topics/white/21498?region=all&cat
■中文版(繁体・台湾)
 http://tw.gundam.info/topics/white/21499?region=all&cat

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January 28, 2013

自由に作ることと枷としての考証

「自分の趣味なんだから自分で好きなように作ればいいんだよ…」
的な言葉を時折耳にし、また見かけることがある。

基本的には同意しないこともないのだが
「好きなように作ればいいじゃん」と突き放されると
「どうしたらいいんだよぉ~」と迷宮を彷徨うことになる。

カワグチ的には好きなように作る上での指標を考証に求めることが多い。
と言うと、普段と言ってること違うくね?
と思う方もいらっしゃるだろう。

折々に引き合いに出すRGガンダムで時系列の表現してみました…

という話などは「自由に作ればいいじゃん」の対極にあると言える。

プラモデルを作るにあたって
「○○しなければならない」というのが大嫌い、というのは
今更繰り返すまでもなく折々に口にしている訳だが
ちょぴっと整理しておくと、人によって環境や体質等の条件によって
やりたいけど出来ないことはある。

パチ組みでもガチでも自分の出来る範囲の中で出来ることを…
というのは数回前の日記でも言っている訳だが
好きなように作れば良いという意味合いもそこには確かに含まれる。
ただ、これは作るプロセス。作業に関しての話。

自分が造りたいと思う完成品像を思い描く時に
何かイメージの元になるものがあれば考えるのは容易になるのではないか。
"自由に作ればいいじゃん"に自分の納得度に合わせた一定の制約を設けると
作りたいモノのイメージは具体的になってくるんではなかろうか。

考証と言うと難しそうに思うかもしれないが
ザクはビーム兵器にエネルギー供給できないんだよ、ということで
じゃぁ、外部からエネルギー供給すれば一応持てるかも…とか。

ゲルググは1年戦争末期の機体だから
ブリティッシュ作戦の時にはいねぇよ…というようなことは
ガンダム本編を見れば基礎知識として蓄えられる。

戦史などに興味があれば実際の戦争の記録から
イメージを構築するというのもある。

第二次大戦中ドイツが北アフリカに上陸した時に
パンツァーグラウの塗色の上からサンドカラーを塗ったという史実があるんだから
地球降下作戦でアフリカに降り立ったザクは
現地でグリーンの上からサンドカラー塗ったかもしれない…とか。

南太平洋に展開していた旧軍の海軍航空隊の機体は
サンゴ砂で翼前縁などの塗装が剥がれた機体が多く見られたということだから
歩行するザクはそれほどではないかもしれないけど
ホバー走行するドムなどは砂漠だったら結構塗装剥がれてるかも…とか。

旧海軍艦艇色は軍港によって色調が違ってたとか、
ドイツのハーフトラックなどは同一車種ながら
製造メーカーによって製造工程や仕様が異なる場合があった…
だったらサイド3本国、グラナダ、地球地上軍では
規定色や仕様が若干違っていてもいいかもしれない…とか。

面倒臭く見えるかもしれないが、
そんな小理屈を考えるのも案外面白いんではないかと思う。
カワグチ的にはそんな小理屈を「妄想を膨らませる」と称すことが多いが
特にコンテストなどに応募しようと思い立ったら
自分が作ろうとするものの方向くらいは予め考えた方が
作っている最中も迷走するリスクは減らすことが出来る。

自分の中で制約を設けてその中で妄想を逞しくして作る。
考証的な制約と自由な妄想のバランスをどう折り合いつけるかは
個々人の納得度合いとの兼ね合いでもある。

コンテストなどに応募しようと思ったら自分の中の納得度だけではなく
他人に対する説得力も求められる。

GBWC2012のオープン1位の作品に対し
ガンプラである必要ないじゃん、という声を耳にすることがある。
感じ方はその人毎の価値観なので云々するつもりはないが
評価に関してはそれなりの基準はもちろん設けている。

ゴテ盛り系の作品というのは以前からも見られたが
作品を形成するパーツ個々の精度が高評価のポイントのひとつではあった。

ただ、カワグチ的にはコアにあるのがリゼルだったのも功を奏したと思っている。
これがRX-78ガンダムだったら、とたんに超嘘臭く感じる。

重装フルアーマーガンダムはかなりOパーツ風味だが
デンドロビウムやヘイズル、ディープストライカー等
ガンダム世界ではガンダムの機能拡大系MSデザインというのはある訳で
宇宙世紀世界の中でリゼルなら、まぁ、アリかな…という判断はそこにはあった。

製作者本人がどれくらい意識していたのかはわからないけどね。

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January 24, 2013

"たかが"模型にややこしい話を持ち込むようになった訳

模型製作に関する話にややこしい能書きをつける傾向は
ここ数年で顕著になってきている。

年齢に拠るものか…などと思っていたのだが
偏屈になってきているであろうことは否定しないが
イベントなどで行う製作実演に一因があることに思い至った。

海外ガンプラEXPOなどのイベントでは
デモンストレーション的に模型製作テクニックの断片を披露している訳だが
そこで披露している製作技術をマスターすれば
同時開催のコンテストで入賞出来るかというとそういうものでもない。

その場に集まる人たちが全員が全員模型の国の住人という訳ではなく
通りすがりの模型未経験者も含まれるので
初歩的な技も外す訳にはいかないが、
コンテスト参加者もいたりするのでスゴ技を求める空気もある。
両者の満足をそれなりに満たすためには
見せ方の工夫とフォローが必要になる。

そのあたりに忸怩たるものを常に抱いていたりする訳で
深層では多分かなりの負い目を感じ続けていたはず。

作業の一部を見せる、と言ってもトークショーではないので
実際に実演を行う時には工程あたりそれなりの時間を要する。

基本的に沈黙とか緊張感に耐えられない小心者なので
いつのタイミングか記憶は定かではないが、
作業をしている間に何でそんなことをするのか…とか
他にもこんな方法がある…といった話しをしながら作業するようになり
時間に余裕のある時は
同じ目的を異なるアプローチで表現するなどということをするようになった。
そういうことを繰り返すうちに小理屈が形成されてきたんだろう。

質問を受けて答えられない訳にはいかないし
嘘を教えるなどもっての外な訳で
自分の知識に対しても猜疑的になり、とにかく調べるようになった。

以前BHCでやった塗装講座の時には
終始座学で来られた方には申し訳なかったが
塗料の組成や特性、使用方法を残念な子のような気分で見直してみた。
案の定、思い違いや誤認識がゾロゾロ出てきて正直冷や汗ものだった。

多分そんな綱渡りなんかも"めんどくさいこと言い"を加速させているのだろう。
今ではすっかり鬱陶しいオサーンになってしまった訳だw

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January 21, 2013

SNSに寄せられる商品化リクエストにコメントしない訳

Twitterやfacebook等で時折商品化のリクエストを受ける。
その際には「申し訳ないけれどコメントは出来ません」と回答している。
「そういう紋切り型の回答はどうよ?」と、周りから言われることもあるのだが、
伝言ゲーム的に伝わっていく情報はキーワードが独り歩きすることが往々にしてある。

例えば、
「○○を商品化してください」というメッセージに対し
「商品化したいですね。」「検討します。」と回答すると
カワグチは○○の商品化に前向きらしい、○○が企画検討されているらしい。
→○○が商品化されるらしい。
→○○商品化!
という具合に本人が預かり知らぬうちに約束したことになっている場合がある。

ホビーショーなどのイベントも同様で
直接聞いた本人以外の周りで聞いている人たちを介して
キーワードが独り歩きを始めることがある。
特にそのような場合の伝聞は言ったことの履歴が残らないだけに
予想外の変化を見せることがある。

「□□の商品化の予定は今のところありません。」と言ったことが
「□□の商品化」という言葉だけが印象に残り、そこに聞き手の願望が加わり
商品化が予定されているらしい…という真逆の話になってしまうことすらある。

それで嘘つき認定されるのも困ってしまうし
振り回されてしまうお客様にも不利益しか残らない。

そんな経験も過去あったりするので、
SNSで聞かれたことへの回答は
申し訳ないが、絶対に誤変換が生じないぶっきらぼうなものになってしまうのである。

ということで、告知としての発信を除き、先々の商品化の予定等に関しては
その時点で公表されている以上の情報はカワグチからは出てこない、
ということでご了承くださいませ。

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