昭和が終わり20余年
このところ子供の頃からの馴染みの深い方の訃報が多く聞かれるようになった。
昭和の中ごろに生まれ、昭和と平成で過ごしてきた人生が
ほぼ半々に近くなって来ている訳だから
時期的には来るべくして来るタイミングではあるのだろう。
以前は著名な方の訃報に接し、
お名前は存じ上げてはいても個人的な想いは然程でもなく…
ということも少なくなかった。
しかし、最近は故人の映像や音声と共に訃報に接すると
その時々の記憶がかなり鮮明に甦り
個人的な想いとして気持ち的に凹むことも多くなってきた。
想いが多く、大きくなるにつれ、
以前のようにはブログなりミクシなりに日記的に通り一遍な書き様で
訃報に関する想いを書き込むことが出来なくなってきている。
昔からからのカワグチを知る人であれば不思議に思われたかもしれないが
昨秋に亡くなられた野沢那智さんの訃報に接した時には
書きたい事、書くべき事があまりにも多すぎて何も書けなかった。
通常の日記は書いてはいたが、実は無理やり搾り出すような気分で書いていた。
中学~高校~大学という特別な時期、深夜という特別な時間に
勝手な一方通行ではあるが、週に一度、濃密な時間を一緒に過ごしたという記憶は
商業モデラー時代という自分史的に最もやんちゃだった時代にも掛かる訳で
時代の記憶は決して色褪せるものではなく、
むしろ、その後のカワグチの形成にも少なからず影響を残しているように思える。
先週キャンディーズのスーちゃんが亡くなられた。
キャンディーズとピンクレディ、どっち?
と問われれば、俺的には躊躇無くキャンディーズに手を挙げる。
キャンディーズの3人の中で誰?
と問われると、ヘソ曲がりなカワグチはミキちゃん派だったりする。
それはそれとしても中学~高校時代、
俺的にはキャンディーズは木之内みどりに次ぐアイドルだった訳で
今回の訃報で思い起こされる記憶も相応にハンパない。
告別式では病床からの肉声での最後のメッセージが伝えられた。
ひと言ひと言を刻みつけるように丁寧に置くように語られた言葉は
自らの最後の時に臨む人の言葉とは思えぬほどに静謐だった。
"タレント"という言葉の本来的な意味を思うなら
スーちゃんは最後の瞬間までキャンディーズであり女優であり
"アイドル"ではなく天性の素晴らしい"タレント"を持った女性だったのだと思う。
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