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March 20, 2014

初めましてな方にお薦めすべきもの

初めてガンプラを作る人にどのキットをお薦めすればよいのか…。
35年ほどの間にガンプラの種類は増殖を続け
ほとんどのガンプラが頻度は別として生産可能な状態に保たれている。
品揃えの良いお店でガンプラ棚の前に立つと
確かに模型の国新入生諸氏は何を買って良いのか判断に迷うことだろう。

カワグチ的には好きなMS、キャラクターがあるのであれば、
それにまつわるキットを手にしていただくのがベストとお答えしている。

世間的には安価でパーツの少ないキットをお薦めするべきという空気がある。
パーツを組み立てて完成させるプラモデルという商材の性質上
慣れない方にとってパーツが少なければ
確かに必要以上の労力を要することもなく完成には至る。
初めてガンプラを手にする人にとって高価なキットは手控えてしまうだろうし
ちゃんと完成しないかもしれないという危惧があれば
確かに安価なキットの方が手軽に感じられるかもしれない。

だが、完成した時の満足度という点ではどうだろうか。

とにかくひとつガンプラを作ってみて飾っておきたいという指向であれば
組み上がりのサイズ的には1/144<1/100<1/60<1/48という具合に
満足度は並べられるのではなかろうか。

変形するものは変形する、合体するものは合体するといった
MS固有のバリューは再現されていて当たり前だと思われるだろう。

組み上がったものと自分が知っているMS像、或いは箱絵と比較して
デザインが異なる、配色が異なる(省略されている)ものはガッカリさんだと思う。
シールで再現された配色よりも部品段階で色分けされていて欲しい…等々、
初めて作る人の満足度のハードルは実はかなり高い。

安かろう悪かろうは初めて作る人にとっては
ガンプラに対し期待外れなものになってしまうのではなかろうか。
そうなるとその人は2つ目のキットを手にすることなく
模型の国を去ってしまうかもしれない。

ガンプラの場合、説明書に従いパーツをランナーから切り出し、
ゲート跡を成形して組み立てるという作業単位を繰り返していくことで
ほとんどの方は完成品を手にすることが出来るような仕様になっている。
それはHGでもMGでもPGでも基本的には変わらない。
完成に至るプロセスに関してはパーツ数と繰り返す作業数は比例する。
そこには特殊な加工やテクニカルな組み立てといったものは基本的には無い。
初めての人にPGをお薦めするのはさすがにどうかとは思うが、
ある程度のパーツ・工程数はそのキットに対する思い入れが強ければ
モチベーションを維持することはある程度までは可能だと思う。

逆に何となく買ってみた…的な気分でガンプラを手にされた方は
HGあたりでも作っている途中で辟易とされるかもしれない。


プラモ製作ツールにしても
安かろう悪かろうはお薦めするべきではないと思っている。
キットよりも高いツールに躊躇する人は多いと思うし
初めましてな人は自分に使いこなせるだろうか…と不安になるかもしれない。
特殊な工具は確かに使うのにそれなりの技量を必要とするかもしれないが
ニッパーやヤスリといったベーシックツールに関しては
お財布事情が許すのであれば多少値が張っても良いものをお薦めしたい。

ニッパーなどは顕著なのだが、ゲートカット~跡処理を行う場合
切れ味の良いニッパーを使うとゲート跡の処理を楽に済ますことが出来る。
お安いニッパーの場合、ニッパーでカットしてカッターで整えヤスリで仕上げる。
切れ味の良いニッパーであれば
カッターでゲート跡を整える作業を省くことも可能だったりする。

ガンプラの場合1パーツあたり、だいたい3箇所のゲートがある。
HGクラスで平均100パーツくらいある訳で×3、
素組みで丁寧に仕上げようと思ったら
300のゲートカット、跡処理を行う必要がある。
MGで300弱のパーツ数なので900の処理を要す。
ゲート跡の処理を楽に済ますことが出来れば
完成までの時間、労力を劇的に減らすことが出来てストレスも軽減される。

箱を開けて成形品の束に尻込みする人は
実際に作業を始めてゲート処理をする段階で嫌になるかもしれない。

先行投資で多少お高いツールを揃えたとしても
継続的に作る意思のある人であればきっと償却できるはず。

お試しで買って作ってみた…という方には無理にお薦めしないが
模型趣味…いいかも、と思っていただける方には
ツールも良いものを揃えていただきたいとかなりマジに思っている。

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