模型コンテストとジュニア部門
昨日GBWC2013日本代表が決まった。
オープン部門、ジュニア部門それぞれの優勝者が日本代表として
年末12/22にお台場GFTで行われる世界決勝に臨むことになる。
過去2回のGBWCでの日本勢は第1回のオープン部門3位というのが最高位で
昨年は残念ながら入賞を果たすことは出来なかった。
今年こそは…という気分は多くの人が持たれていることと思う。
今から1ヶ月、何が出来る訳でもないのだが
日本代表の二人を多くの方が見守り応援していただけることを願ってやまない。
とは言え、全ての方が好意的に見ていただけている訳でもなく
今回も「本当に子供が作ったの?」という声も無いではない。
これはGBWCに限らず、HJのオラザク、DHMのガンプラ王など
ジュニア部門を設けているコンテストにはついてまわる話しではある。
コンテストの審査をやらせていただくことが多い私の立場からすると
確かに「これは親の手が入ってるんじゃないか…」と思える作品を目にすることもある。
ただ、それを確認・立証する手立ては無い訳で、基本的には余程のものではない限り
申請された情報を踏まえ審査を行っているというのが実際ではある。
入賞作品などは直接連絡を取る事もあるし、周囲から漏れ聞こえる噂的な話など
疑念ある作品に関しては注意を払い、場合によっては入賞を取り消す場合もある。
ただ、それはそれとして、審査を行う際には
子供がこんな作品を作れるはずが無い、というような先入観は一切持たないことにしている。
自分が子供の頃と今の子供では、こと模型趣味に関しては環境は全く異なる。
10歳くらいの子供であればその親は30代後半から40代くらいであろうか。
自分の親の世代でプラモデルを趣味とする人というのは稀であったが
今のお父さん達は普通にプラモも作るしゲームもするといった人は少なくなかろう。
模型趣味を持つ親のいる家庭であればエアブラシのセットもあるかもしれない。
高額なツールもあるかもしれない。塗料、マテリアルなども揃っているかもしれない。
親が積んどく人ではなく展示会などにも作品を持ち込むような作る人であれば
門前の小僧習わぬ経を読む、ではないがそのお子さんも見よう見まねで
小さい頃から模型に慣れ親しみ実際に作っているかもしれない。
普段親と一緒に作っている子ならいろいろな知識、情報、技術を与えられ
使いこないしている子もいるかもしれない。
そんな子達は既に幼くしてベテランモデラー並みの知識、技術を有していても不思議ではない。
そんな環境で3年、5年…と親のストックをオモチャがわりに作り続けている子と
昔はボンボン見ながら作ってたけど最近は作ってないなぁ…という大人を比較した時に
どちらが高いスキルを有しているかは語るまでも無かろう。
自分の経験だけで物事を判断し結論を出すのは甚だ危険であり、滑稽なことでもある。
そもそも、模型趣味に訪れる新人さんが絶えれば模型の国が滅ぶのも時間の問題な訳で、
狭量な経験則だけで新入生をディスるのは勘弁していただきたいと常々思う次第ではある。
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Comments
今年はGBWCエントリー作品が全部見れて楽しいです
これが一次落ちてこれが受かるのかとモヤモヤしたりしますけど
ショップからのエントリーじゃなければ十分一次突破できそうなのが落とされてるのもなんか可哀想だと思いました
Posted by: | November 27, 2013 02:40 AM
"ショップからのエントリーじゃなければ十分一次突破できそうなのが落とされてる"というのは文意を掴みかねますが、プロショップのコンテストで残念ながら落選した作品にも見るべきものがあったという意味でしょうか。
プロショップ経由のエントリーはプロショップのコンテストが予選に相当しますからその段階でファイナリスト選出の2次審査に無条件で進出することになります。
一方、個人による直接エントリーでは応募いただいた段階で1次審査が行われ絞り込まれた後でプロショップエントリー作品と合わせファイナリスト選出の審査が行われることになります。
ショップ経由の場合、競う人がある程度想定できるだけに
強敵となりそうな常連さんがいるショップではショップ経由ではなく個人エントリーを選ばれる方もいらっしゃるでしょう。
逆にどんな作品が集まるのか判らない個人エントリーで予選に臨むよりも応募する人がある程度想定できるショップコンテストを通過してファイナリスト選出に一気に臨む方が有利と考える人はショップエントリーに臨まれる方もいらっしゃるでしょう。
どちらの方法でエントリーするかは応募される方の判断となります。
審査に関しては複数人での審査を行い、極力偏向することの無いよう努めてはいますがやはり人間の判断に拠りますので、審査結果に対して違和感を感じるかたがいらっしゃる以上、審査精度を高めるよう努めて参りたいと存じます。
写真審査の限界も勿論あるかとは思いますが、審査に際してはお送りいただいた各作品原寸よりも大きく写っている複数枚の画像を精査し審査を行っております。
Posted by: 川口 克己 | November 27, 2013 04:33 AM
ジュニア部門の作品についての御考察ですが、おっしゃる通りだと思います。
子供がこんなに上手にできるわけないというのは、たぶん大人としてのプライドが、そう感じさせているのではないでしょうか。(俺よりうまいと思えるんじゃないでしょうか)
ジャンルは違うのですが、以前子供のヴァイオリンの発表会をみにいった時に、驚いたことがあります。小学生5,6年生のお姉さんたちが、まるでプロのような演奏をしていたのを覚えています。
子供の可能性は大人では想像できません。
Posted by: pepe32red | November 27, 2013 07:50 AM
T社のミ○四○の公式大会の世界でも同じように言われています・・
ラジコンの世界は自分で操作をするので大丈夫なのですが・・・
永遠のテーマですね
Posted by: いちゅと! | November 28, 2013 07:03 PM
父が塗装を手伝い、大会に出すのはokなんでしょうか?
Posted by: | December 06, 2013 07:25 AM
■pepe32red様
心情的なところではそのような面もあるかもしれません。
俺はこれだけ苦労してきたのに的な感情もあるかもしれません。
俺が子供の頃は…と言い出すと時代も環境も当時とは違ってるよとしか言いようがないんですけどね。
■いちゅと!様
模型に限らずどんな世界にも似たような話はあると思います。
じゃぁここでやってみせろ的な話になるとリングの千里眼事件のような話になる訳でもうその段階で悪意が顕在化してくるようで甚だ気持ち悪い訳です。
■名無し様
手伝うというのを子供が作ったものを親が塗装する、ということを指しているのであれば、それが明確である場合私は審査対象外とします。
最終的には各コンテストを運営する母体の判断に委ねられることになりますが。
Posted by: 川口 克己 | December 06, 2013 09:13 AM