MS-06C改 ~ザクⅡオデッサ鉱山基地仕様~
俺呼称『ミズオザク』。
前日記でも触れたがビッグコミック スピリッツで連載されている
『プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-』の劇中で
主人公のミズオが作っているいわゆる"オラザク"なのだが、
実際に作ることにした。
という訳で、早速ベースキットとなる
MG F型ザクver.2.0を確保、
コミックスの流れを踏まえ製作に入ることになる。
ただ、劇中で描かれているシーン
だけではもちろん足りないところもあり
完成させられるための情報が揃っている訳ではない。
(実際まだ劇中でも完成してないし…)
実際に使用するツールや
製作に際しての癖などは
ミズオとカワグチではかなり異なる。
ということで、
あくまでもコミックスの描写を参考に
ミズオが目指すMS-06C改を
カワグチ流で作る、ということになる。
実際には様々な作業を行っていくことになるのだが
とりあえず大きなポイントとなるであろう点(見せ場)は
■スパイク無しの左肩ショルダーアーマーの加工
■縦ロールが追加されたモノアイと頭部外装の加工
■S型準拠とされるランドセルの加工
■宇宙空間仕様型の地上配備に伴うアレンジ
■マシンガンの新造
ということになろうか。
とうことで、実際にはSNS上でオンタイムで進行している作業をおまとめして
ブログでは紹介するので、以下の画像詳細に関しては
元画像を参照いただくと良いかもしれない。
【左肩ショルダーアーマーの加工】
劇中ではスパイク跡をノギスで測るシーンがあるが、確かに10mm。
径を合わせた円盤をプラ板から切り出し貼る訳だが
劇中のミズオザクには蓋の周りに縁があるので、ここは俺解釈で追加加工する。
0.5mmプラ板上でテンプレートの11mm径の円をケガキ針で描き
カッターで切り出しヤスリで整形して円盤を作る。
スパイク跡になるアーマーの開口部の周囲をヤスリで軽くやすり、
接着面となる平面を出し、円盤を溶剤系接着剤でしっかり接着する。
僅かな縁を残して内ぐりするので接着剤が完全硬化し
プラ板とパーツが同化するまで1日ほど放置。
翌日、蓋がパーツと同化したところで(多分)
センターにドリル刃で3mm位の穴を開け、デザインナイフで穴を広げていく。
ある程度広がったところでリーマーで更に穴を広げ、
縁の部分を僅かに残すところまで慎重に開口していく。
力を入れすぎると縁が割れてしまうので最後は超慎重に。
縁の整形には800番くらいの紙やすりでこれまた慎重に行うが、
リーマーをお持ちでない方は縁に近いところまでデザインナイフで穴を広げ
240番くらいの粗い紙やすりで内ぐりして最後に前述のように整形する、
という方法でも可。
ミズオザクのディティールはRGザクのそれに準拠しているようなので
アーマー外周の縁と若干のスジ彫りが必要になるので
劇中では描かれていないがその辺りも加工しておこう。
アーマー表面へのスジ彫りはアーマー外周辺に平行なラインが4本入る。
平行を出すために任意の幅で切り出したプラ板をガイドに
アーマーとプラ板がズレないよう気をつけながらアタリのラインを引く。
平行に引けているのが確認できたらスジ彫りを入れる訳だが、
5枚重ねで厚みを出したマスキングテープから幅2mmくらいの帯を切り出し
アーマー上のアタリのラインに沿って貼る。
細切りテープは曲面へも確実にフィットし、
多少の曲線であればしっかりラインを出すことが出来る。
貼り重ね厚みを出したのはカッターでラインを引く時のガイドとして
確実性を高めるため…ということです。
アーマーの縁に関しては、カワグチ的には補強目的に別材が重ねて貼られている、
という解釈なので、スジ彫りではなくプラ板を使い段差を出すことにした。
縁の位置決めをするために先ほどのプラ板をあてるのと同じ効果を求め
プラ材でラインを引くための治具を作り外縁端から3.5mm、4mmの位置で線を引く。
0.3mmプラ板から1mm弱幅の帯を切り出し指先で軽くしごいてカールさせ
曲面に馴染みやすくし、3.5mm線に沿って少しづつ接着剤で貼り押さえ固着させる。
1mm幅に切った0.3mmプラ板を均等になるようアーマーから実測した長さでカットし
台形に切り出したプラ板をアーマー上のプラ線に合わせ貼っていく。
アタリ線を4mmで引いたのはクロスする箇所の台形の上辺の位置決めをし、
辺上の台形のセンターを横切るラインであれば位置決めも出来るという判断から。
プラ板の貼り合わせで縁のラインを作っているので表面は平滑ではないが
ラインをきれいに出したいということで多少手間がかかるが今回このような方法を採った。
縁を形成するプラ板が接着剤により完全に固着したあと、瞬間硬化パテを練り
プラ板のラインから外周方向に盛っていく。
パテが硬化したらカッターで大まかな形を削り出し、紙やすりで整形する。
瞬間硬化パテは切削面上に細かい気泡が残るのでサーフェイサーを吹きつけ気泡を埋める。
基本作業が終わるとこんな感じ。
肩アーマーの基本的な作業が終わったところで蓋を作る。
劇中ではディバイダーでプラ板に円をけがき、サークルカッターでカットするらしいが
(実際の作業はイエナの絡みで描かれていなかったりするw)
ディバイダーの場合中心に針跡が残るのがなんとなく嫌だったので
縁を作った時と同様にテンプレートとケガキ針を使って円盤を切り出した。
よく考えてみると蓋のセンターは加工するので跡も何も関係ないのだが…。
使用したプラ板は1mmと0.5mmの貼り合わせたもの。
円盤の外周を整形し、アーマーの開口部に収まるかどうか確認しながら調整する。
蓋の表面は軽くアールが付き曲面になっているので外形を粗目のヤスリで削り出す。
その後、卓面に両面テープで円盤を固定し、600番くらいの紙やすりで整形する。
この時に均一な曲面に整形するため、指の腹の弾力を使って
軽くやすりながら全体形を整えていく。
蓋表面の整形が終了した後、両面テープで固定されたままの状態で
再度テンプレートをあててセンターを決め中心線を引きカッターでアタリを引く。
蓋面上の線は劇中ではスジ彫りのように見えるカットもあるが
ある程度の幅を持った段落ち面のように見えるカットもある。
ここではやや幅のあるスジ彫りと解釈し、カッターで引いたアタリ線に沿って
レザーソーで軽く溝を切っていった。
溝の深さと溝の形を整えるため、目立てヤスリで整形し、
800番くらいの紙やすりで全体を再度整形し、アーマー開口部にあてる。
納まりに問題が無いようであれば溶剤系流し込み用接着剤で固定する。
ということで、左肩ショルダーアーマーの加工は終了。
現状、作業としてはここまでということで、ミズオには全然追いついていないが
ここはまぁ、基本に忠実に(愚直に?)作業段取りを考えながら
あくまでもカワグチ流で作っていきたいと思う訳です。
目標としては11月に秋葉で行われるガンプラEXPOで昨年同様に
ガンプラ製作実演を行うことになると思うので、
その時に完成させる…というのが美しいかなw
その近辺で単行本の3巻も多分出ると思うし。
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Comments
名人こんにちは。ミズオザクいいですね!内容も、昔のモデグラの作例記事を読んでいるようで、胸が熱くなります。これであとは、名人の元に若い女の子が転がり込んでくれば完璧です!
Posted by: kuri | September 23, 2013 07:14 AM
詳細な作業説明ありがたい限りです。
How to本を読んでも、ここまで細かにはかかれていませんからね。
このパーツ一つを紹介するだけで、他のパーツに応用できる内容なので助かります。
みているだけで、自分にもできると思ってしまいます。
時々、こういう企画も助かるのですが。
Posted by: pepe32red | September 25, 2013 06:56 AM
■kuriさま
その前に合コンに拉致られないとですw
■pepe32redさま
紙幅の制約的なモノが無いのがWebのありがたいところですが、そのぶん製作者の気力が試されているようでもあります。
実際の作業は特別なことをやっている訳でもありませんので、何か作られる時のヒントのひとつにでもなるようでしたらありがたい限りです。
Posted by: 川口 克己 | September 25, 2013 09:39 AM
川口名人こんにちは。
三年前ぐらいにGEOキャンペーンの景品に作ったドム
を覚えてらっしゃるでしょうか
スジボリについて質問宜しいでしょうか
スジボリに使った工具、またガイドはどうしたか教えて貰いたいです。
Posted by: taketake | October 20, 2013 08:41 PM
■taketakeさま
ガイドに使用したのは本記事にもありますがマスキングテープ複数枚重ね切り出しテープです。位置決めにはコンパスとディバイダーを使ってアタリを決めテープでつないでカッターでラインを切っています。
Posted by: 川口 克己 | October 21, 2013 01:52 PM