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September 19, 2013

MS-06C改 ~ザクⅡオデッサ鉱山基地仕様~

俺呼称『ミズオザク』。
前日記でも触れたがビッグコミック スピリッツで連載されている
『プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-』の劇中で
主人公のミズオが作っているいわゆる"オラザク"なのだが、
実際に作ることにした。

Mizuo001
という訳で、早速ベースキットとなる
MG F型ザクver.2.0を確保、
コミックスの流れを踏まえ製作に入ることになる。

ただ、劇中で描かれているシーン
だけではもちろん足りないところもあり
完成させられるための情報が揃っている訳ではない。
(実際まだ劇中でも完成してないし…)
実際に使用するツールや
製作に際しての癖などは
ミズオとカワグチではかなり異なる。
ということで、
あくまでもコミックスの描写を参考に
ミズオが目指すMS-06C改を
カワグチ流で作る、ということになる。

実際には様々な作業を行っていくことになるのだが
とりあえず大きなポイントとなるであろう点(見せ場)は
■スパイク無しの左肩ショルダーアーマーの加工
■縦ロールが追加されたモノアイと頭部外装の加工
■S型準拠とされるランドセルの加工
■宇宙空間仕様型の地上配備に伴うアレンジ
■マシンガンの新造

ということになろうか。

とうことで、実際にはSNS上でオンタイムで進行している作業をおまとめして
ブログでは紹介するので、以下の画像詳細に関しては
元画像を参照いただくと良いかもしれない。

【左肩ショルダーアーマーの加工】

Mizuo002
劇中ではスパイク跡をノギスで測るシーンがあるが、確かに10mm。
径を合わせた円盤をプラ板から切り出し貼る訳だが
劇中のミズオザクには蓋の周りに縁があるので、ここは俺解釈で追加加工する。

0.5mmプラ板上でテンプレートの11mm径の円をケガキ針で描き
カッターで切り出しヤスリで整形して円盤を作る。
スパイク跡になるアーマーの開口部の周囲をヤスリで軽くやすり、
接着面となる平面を出し、円盤を溶剤系接着剤でしっかり接着する。

僅かな縁を残して内ぐりするので接着剤が完全硬化し
プラ板とパーツが同化するまで1日ほど放置。

元画像1元画像2

Mizuo003
翌日、蓋がパーツと同化したところで(多分)
センターにドリル刃で3mm位の穴を開け、デザインナイフで穴を広げていく。
ある程度広がったところでリーマーで更に穴を広げ、
縁の部分を僅かに残すところまで慎重に開口していく。
力を入れすぎると縁が割れてしまうので最後は超慎重に。

縁の整形には800番くらいの紙やすりでこれまた慎重に行うが、
リーマーをお持ちでない方は縁に近いところまでデザインナイフで穴を広げ
240番くらいの粗い紙やすりで内ぐりして最後に前述のように整形する、
という方法でも可。

ミズオザクのディティールはRGザクのそれに準拠しているようなので
アーマー外周の縁と若干のスジ彫りが必要になるので
劇中では描かれていないがその辺りも加工しておこう。

アーマー表面へのスジ彫りはアーマー外周辺に平行なラインが4本入る。
平行を出すために任意の幅で切り出したプラ板をガイドに
アーマーとプラ板がズレないよう気をつけながらアタリのラインを引く。

平行に引けているのが確認できたらスジ彫りを入れる訳だが、
5枚重ねで厚みを出したマスキングテープから幅2mmくらいの帯を切り出し
アーマー上のアタリのラインに沿って貼る。
細切りテープは曲面へも確実にフィットし、
多少の曲線であればしっかりラインを出すことが出来る。
貼り重ね厚みを出したのはカッターでラインを引く時のガイドとして
確実性を高めるため…ということです。

アーマーの縁に関しては、カワグチ的には補強目的に別材が重ねて貼られている、
という解釈なので、スジ彫りではなくプラ板を使い段差を出すことにした。

縁の位置決めをするために先ほどのプラ板をあてるのと同じ効果を求め
プラ材でラインを引くための治具を作り外縁端から3.5mm、4mmの位置で線を引く。

0.3mmプラ板から1mm弱幅の帯を切り出し指先で軽くしごいてカールさせ
曲面に馴染みやすくし、3.5mm線に沿って少しづつ接着剤で貼り押さえ固着させる。

1mm幅に切った0.3mmプラ板を均等になるようアーマーから実測した長さでカットし
台形に切り出したプラ板をアーマー上のプラ線に合わせ貼っていく。
アタリ線を4mmで引いたのはクロスする箇所の台形の上辺の位置決めをし、
辺上の台形のセンターを横切るラインであれば位置決めも出来るという判断から。

プラ板の貼り合わせで縁のラインを作っているので表面は平滑ではないが
ラインをきれいに出したいということで多少手間がかかるが今回このような方法を採った。

元画像3元画像4

Mizuo004
縁を形成するプラ板が接着剤により完全に固着したあと、瞬間硬化パテを練り
プラ板のラインから外周方向に盛っていく。

パテが硬化したらカッターで大まかな形を削り出し、紙やすりで整形する。
瞬間硬化パテは切削面上に細かい気泡が残るのでサーフェイサーを吹きつけ気泡を埋める。

元画像5元画像6

Mizuo005
基本作業が終わるとこんな感じ。


Mizuo006
肩アーマーの基本的な作業が終わったところで蓋を作る。
劇中ではディバイダーでプラ板に円をけがき、サークルカッターでカットするらしいが
(実際の作業はイエナの絡みで描かれていなかったりするw)
ディバイダーの場合中心に針跡が残るのがなんとなく嫌だったので
縁を作った時と同様にテンプレートとケガキ針を使って円盤を切り出した。
よく考えてみると蓋のセンターは加工するので跡も何も関係ないのだが…。
使用したプラ板は1mmと0.5mmの貼り合わせたもの。

円盤の外周を整形し、アーマーの開口部に収まるかどうか確認しながら調整する。
蓋の表面は軽くアールが付き曲面になっているので外形を粗目のヤスリで削り出す。
その後、卓面に両面テープで円盤を固定し、600番くらいの紙やすりで整形する。
この時に均一な曲面に整形するため、指の腹の弾力を使って
軽くやすりながら全体形を整えていく。

蓋表面の整形が終了した後、両面テープで固定されたままの状態で
再度テンプレートをあててセンターを決め中心線を引きカッターでアタリを引く。

蓋面上の線は劇中ではスジ彫りのように見えるカットもあるが
ある程度の幅を持った段落ち面のように見えるカットもある。
ここではやや幅のあるスジ彫りと解釈し、カッターで引いたアタリ線に沿って
レザーソーで軽く溝を切っていった。
溝の深さと溝の形を整えるため、目立てヤスリで整形し、
800番くらいの紙やすりで全体を再度整形し、アーマー開口部にあてる。

納まりに問題が無いようであれば溶剤系流し込み用接着剤で固定する。

元画像7元画像8

Mizuo007
ということで、左肩ショルダーアーマーの加工は終了。


現状、作業としてはここまでということで、ミズオには全然追いついていないが
ここはまぁ、基本に忠実に(愚直に?)作業段取りを考えながら
あくまでもカワグチ流で作っていきたいと思う訳です。

目標としては11月に秋葉で行われるガンプラEXPOで昨年同様に
ガンプラ製作実演を行うことになると思うので、
その時に完成させる…というのが美しいかなw

その近辺で単行本の3巻も多分出ると思うし。

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September 12, 2013

ミズオザクをコミックスを見ながら実際に作ってみよう企画

ビッグコミック スピリッツで連載されている
『プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-』
のコミックス2巻が先月末に出た。

編集の方々や作者さんたちとお会いする機会などもあり
連載スタート時よりご縁浅からぬ作品ということで見守っていたりする。

どんなお話しなのかは下記小学館さんとこのURLから飛んでいただき
ご確認いただければとは思うのだが、
先日Twitter上で、本編中で描かれている主人公ミズオが作っている
MGザクの改造機を劇中のレシピで作れるんだろうか…
と呟いたところ、「無理!」というリプをいただいた。

ドラマを追いながらプラモ製作レシピを上げていくというのは
人によっては中途半端感を感じるのかもしれない。
それでも、カワグチ的にはこのコミックスに
かつてのコミックボンボンの記事ページを見ているような既視感を感じていたりする。
伝説となっている腕時計のバンドを使ったパーフェクトガンダムなどは
多くの読者が夢にみながら「無理!」と思ったんではなかろうか。
初めて見聞きするツールやマテリアルに戸惑いながら
いつかは作ってみたいという憧れがあったのではなかろうか。

確かにボンボンの記事は実際に製作された作例の解説ということで
説得力ありまくり、というのがミズオザクとの決定的な違いなのだが
ポイントになるところはコミックスの描写に可能な限り倣い
レシピをベースに自分流のアプローチも込み込みで臨めば
「全く無理!」ということはさすがに無いだろう。

ということで、改めて
『プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-』のミズオザクを
コミックスを見ながら実際に作ってみよう企画
を個人的にやってみようと思う。

合コンで知り合ったお嬢ちゃんが家に転がり込んでくる
というようなハプニングを望んでいる訳ではないし、
ミズオほどの情熱を持ち合わせている訳ではないのだが
作るきっかけ(ネタ?)としては面白い題材だとは感じている。
模型の国の「妄想力」の楽しさ、大事さを普段から口にしている身としては
ミズオの妄想をただの妄想で終わらせるのはもったいないと思うし
模型の国の住人さんであれば100%とは言わないまでも
ミズオの妄想を我が事に置き換えて楽しんでいただける余地はあると思う。

もっとも、ミズオが完成させてくれないとこのネタは未完で終わってしまう訳だが
塗色も含めた完成形のイメージはコミックス1巻の表紙にあったりするので
そのあたりのイメージも踏まえながら、とりあえずはこれから始めて
現状に追いつければ…というのが最初のステップだと思っていたりする。

さて、まずはMG ザクF型 ver.2.0を買って来るところから…だなw


プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争-/小学館

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September 10, 2013

"艦これ"とシンクロニシティ

かなり前に当ブログで"シンクロニシティ"に触れたことがあった。
日本語では"共時性"とも言われるが、
因果関係のない複数の事象が時をほぼ同じくして生起する状況を指すが、
平たく言えば"偶然の一致"が連続的に生じている状況ということになるのだろうか。

カワグチ的にはブームと呼ばれる現象を促す力として
シンクロニシティの作用は大きな影響を持つと思っている。
もちろん全てのブームに作用しているとは思わないが
事象に関連した言葉なり現象なりを普通に生活している中で見聞きする機会が多くなれば
顕在・潜在問わず、当然意識に刷り込まれる訳で、
それが何かのきっかけで積極的な認知に向かうことは必然だと思う。

今日はTwitterのタイムラインに「コンプティーク」という言葉がずっと流れていた。
多くの方はご存知の通り、「コンプティーク」は角川さんのゲーム・漫画月刊誌だが、
今日発売号に84頁の"艦これ"別冊付録が付くということで
多くのフォロワーさんが書店を巡り難民化していたらしい。

カワグチ的にも"艦これ"は嗜んでいる。
6月下旬頃にWeb上でちらほら耳にするようになり登録しようとしたら
「今は登録できないよ~ん」ということで登録予約だけ入れ、しばらく待て状態で過ごし、
新規登録再開なってめでたく呉鎮守府に着任した。

その後もサーバー増強と新規登録者の追いかけっこが続き
アクセス集中によるダウンも数知れずな中で艦隊整備を行っている。

軍艦はもちろん戦争のための兵器なので積極的に肯定するというものではないが
模型の国の住人的には個艦それぞれに名前が付けられ、起工から除籍まで
それぞれの歴史とドラマを背負っている軍艦は
いわばキャラが立っているので感情移入し易いという面がある。
戦車、飛行機で言うなら機体個々というよりは
ヴィットマンやハルトマンといったエースと呼ばれる人たちに感情移入するのに近い。
しかも、かつて自国が保有していた軍隊なのだから
行為・行動の良し悪しとは別の次元で親近感を覚える人も少なくなかろう。
"艦これ"需要の下地としてはそうした感情がある。
それだけだと模型の国やミリオタさんの領域内で流行る…くらいのものだったろう。

"艦これ"ブームの直前にはガルパンブームがある。
ミリタリー+萌えは昔からあったが
ガルパンはTVメディアの影響もあり一気に萌え広がった。

ロシアから未完の空母を買取った中国が完成させ艦隊配備を行った、
というニュースは尖閣問題と共に大きく取り上げられた。

関連してアオシマさんのWLシリーズ"ひゅうが 離島防衛作戦"の箱絵が
ニュースに取り上げられたのを見聞きした人も少なくなかろう。

8月には旧軍の正規空母並みの大型護衛艦"いずも"が進水した。

地上波でヤマト2199の放映が始まって以来、幅広い年齢層のお客様が
ヤマトプラモを求めて販売店様にいらっしゃっているという。

というような具合で"艦これ"ブーム化を促す燃料が
ここ数ヶ月の間に立て続けに投下されている。
もちろんそれらの事象と"艦これ"は直接的な因果関係は無い。

そこに"艦これ"本家の角川さんが積極的に動き出した訳だから
この後も暫くはブーム状態は続くだろう。

目端の利く販売店さんは兆しが見えていた段階で
艦娘の絵を使って艦船模型棚を賑わしていたらしいし
アオシマさんはグッズの展開を早々に始めている。
タカラトミーアーツも参戦ということで市場は"艦これ"で賑わっている。

ブームを仕掛ける側のメーカーの中の人としては
"偶然"を待ってる訳にもいかないのでマーケティングと称する様々な施策を行う。
同時多発的に生じる偶然により
人々に認知を刷り込むのがシンクロニシティの作用であるなら
様々な商品戦略、メディア戦略、流通戦略を通じて人々の認知を得ることで
同様のブーム化を促す作用を引き起こそうとする訳ですよ。

ただ、シンクロニシティということを考えていて、今カワグチ的に気になっているのが
鎧武者

来年のNHK大河ドラマは
秀吉が竹中半兵衛とともに最も信頼し、後に最も恐れた稀代の軍師 黒田官兵衛。
その秀吉はかつて大河で秀吉として主役を張った竹中直人が再び演じる
ということで話題性は高い。

脚本に虚淵玄氏が名前を連ねる仮面ライダーの新シリーズも
モチーフはフルーツと鎧武者。

異色アレンジながらアニメ、ソーシャルゲームで戦国武将モノはテッパン。

もうひとつふたつ偶然が重なると来年あたり『鎧武者』は来そうな気がする。

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