« April 2013 | Main | June 2013 »

May 30, 2013

適正サイズという限界

造形感覚において適正サイズというのは人それぞれにあると思う。
自分の場合A4のカッティングマットの上で作業が出来る範囲のモノ
というのがそうなのだと思っている。

先日メガサイズのザクを仕上げた際に
ディティールの入れ方をどうするか正直少し迷った。
おそらく自分のサイズ感の中で"何をどうする"という
アプローチのコントロールが利く上限サイズはメガサイズあたりなんだろう。

純粋な趣味模型だけではなく仕事として模型と付き合っていることもあり
他のモデラーさんと比べると
比較的様々なスケール、サイズ感のキットを組み仕上げる機会もあるので
自分にとっての得手なサイズ感というのがある程度認識できているのかもしれない。

自分に限界を設定するというのは好みではないし
得手の範囲の中だけで帰結させるのは面白味に欠けるとも思う。
それでも自分の得手の範囲を認識した上でその範囲の外に討って出るのと
結果的に良い方向に転ぶかもしれないが
限界など意識せずに勝負するというのでは得られるものはかなり異なってくると俺は思う。

模型誌さんに掲載される様々な作例を拝見したり
コンテストで数多くの作品を拝見する中で見知った方の作品にも接する訳だが
ディティールの追加と省略、フォルムの見せ方、塗装の色合い、仕上げの効果等々
この人、何でこうしちゃったんだろう???と思うこともままある。


GBWC2013の日本大会の応募も始まった訳だが
他人に見せる作品を作る場合、
普段作り慣れたサイズ感の中で作っていただくのがベターであろう。

ここ一番を狙って大作を作る…というような場合は
普段やりなれていないことをやるんだから…
という意識を持って臨んでいただくのが宜しいのではないかと思う。
作っている最中に迷走することもあるかもしれない。
それを軌道修正した上で最終的に作品として仕上げるだけのスケジュール感も必要になる。

仕事の中で「やりたいことと出来ることは違うんだよ」という
上司からの言葉に遭遇したことのある人は少なくないと思う。
「理想論じゃ飯は食えねぇんだよ」と同義に使われる言葉でもあり
自分なども度々言われた言葉ではあるのだが、
改めて考えると
"出来ること"を底上げ出来れば"やりたいこと"の理想のカタチには近付ける訳で
出来もしないことを言っていても結局は言ってるだけに過ぎず
出来ることの限界を認識して+オンしていった方が結果は出せるのではないかと思う次第。

そうは言っても趣味領域では
戦車は1/35、艦船は1/700、航空機は1/72…というスタンスは変わらないんですけどねw

| | Comments (4) | TrackBack (0)

« April 2013 | Main | June 2013 »