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May 30, 2005

75年戦争の兵士たち

フィリピンのミンダナオ島に帰国を切望する旧日本軍の兵士がいるらしい
という報は先週末の報道を賑わせたニュースであった
その後、在比日本大使館員が派遣されたが該当者との接触は出来ず
その真偽に関しても定かではないというのが現在の状況らしい

我が国の首相は大層な驚きをもって第一報に接したとのことだが
戦後60年を経過したとは言え
帰国を果たし得ていない旧日本軍の兵士が存在するということは
そんなに意外なことなんだろうか?

ビルマの竪琴では戦没者を慰霊するために
僧侶となった水島上等兵はひとりビルマの地に残った
フィクションを例にするのはどうかとも思うが
第二次大戦後の東南アジアでの独立運動に身を投じた旧日本軍兵士も現実にいたと聞く
南太平洋の無数の島々に展開していた日本軍が連合軍の反攻を受け
完全に生存者を撤収出来たとは思えないし
全ての邦人が戦後の引き揚げで帰国出来たとも思えない
旧陸軍の指令に基づき派兵された部隊、人員の情報に関しては
ある程度の追跡も可能かもしれないが
乗艦していた艦船が沈められ
地図にも載っていないような島に漂着した旧海軍将兵がいたとしても
その消息は誰も知りようが無い

世界、外界と隔絶された世界に起居する旧軍将兵は
戦後何十年経とうがお国のために軍務を継続する
彼らにとっては1931年の満州事変に端を発した戦争は未だに終わっていないのだろう
我々が全ての事象を知っているなどと考えるのは傲慢だし
2005年の世界の常識では図れない世界も世の中にはあるだろう

作為の別とは関係なしに今回の件が仮に誤報だったとしても
帰国を望みながら果たし得ていない人たちは
我々の知らないところで今も戦い続けているのではなかろうか
いや、それ以前に
今もなお迎える者も無い異国の山野や海の底には多くの人たちが眠っている

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