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2018年3月

2018年3月26日 (月)

ホビージャパン2018 5月号 第1特集冒頭頁の用法

HJ誌5月号の巻頭特集はガンプラウェザリングということで
頭のところで長江里加さんをお迎えして初めてのウェザリング
的なページを見開きでいただいている。

HJ誌の読者さんには勿論普段からガチで作ってらっしゃる方も多いので
素組みに汚しを加えることに新味は感じられないかもしれない。
ただ、ネットコミュニティや展示会などオン・オフラインで
様々な人と接する機会が増えている昨今、
プラモ初めましてな方と接することもあるだろうし
指南を請われることもあるかもしれない。
そうした時に極力手軽に"汚し"という俺ガンプラ作りの第一歩を
経験していただくということを前提にした中身で誌面協力させていただいた
というのが今回の見開きということになる。

長江さんご自身もプラモ経験は持ってらっしゃるので
今回は何でそんなことするの?系な話も織り交ぜながら進行し
実際に"汚し"にチャレンジしていただいた訳だが
途中から自分の想定していた全体の記事の流れに加え
ちょっと試してみたいことがあって
その流れで汚しお試しを行ってもらうことになった。

それが後半の実践編になる訳だが
最初に長江さんの施術の汚し被験体となる78ガンダムのポーズを決めてもらう。
この時は制約無しで思うがままにポーズをつけてもらう。
ポーズを決める段階で78ガンダムが何をしているところなのか
というのは施術者のイメージでは多分まとまっているはず。

次に何をしているところなのかを具体的に言葉にしていただく。
あわせて周りの状況もキーワードだけでも挙げてもらう。

状況が具体的になってきたところでどう汚れるかを考えてもらう。
実際に78ガンダムを手にぶんどど的に状況を表現してもらったりもする。

ポーズを付けた78ガンダムは18m級のロボな訳で、そのポーズをとらせる過程で
どこに傷がつくのか、どんなふうに傷がつくのか
どこが汚れるのか、なにで汚れるのか、どんなふうに汚れるのか。
といったことを想像してもらいながらレクチャーした技法で作業を進めてもらう。

今回選んだポーズはサッカーの試合で見られるゴールを決めた時の歓喜のポーズ
とのことなので、状況的には膝から滑り込む感じ。
ただ、芝上ではなく砂漠で、ということだったので、想像を積み重ねてもらう。

滑り込んできた時に一番傷つきそうなのは…ひざ、あと爪先もちょっと
砂を一番かぶるのは…ひざの上あたり
脚で汚れが付きそうなのは…ひざから脛、足首まで前側全体
砂埃が巻き上がって汚れそうなのは…腰から胸のあたりまでは来るかな

というような具合で想像を具現化してもらう。
傷のつき具合、汚れ具合を想像しながら
様々な表現方法の中から表現し易そうな技法を使い仕上げていく。
以前から折々で使っている"模型的プロファイリング"ということです。

本来はこれにディオラマを意識してもらうと
ロボの重さ、スピード、方向、地表の様子…といった具合に
もっと具体的なシーンが想像でき、表現することができる。

実際に作業を行ってくれた長江さんが一連の作業をやってみて
どのように感じられたかはわからないが
プラモへの関心の度合いが深まってくれたようであれば幸いではある。

自分もSNSでランバ・ラル特攻の時のグフ作りたい…などと言ってるのだけど
そうした想像の積み上げをやってると実際に作りたくなる訳で
多分作りながらももっともっとな感じでネタを入れたくなるんだろう。

こういうのはモデラーさんの集まる酒宴などでは結構盛り上がるネタだと思う。
あとは盛り上がった後、忘れないで作り始めれば
「テーマある作品」にはなると思う。

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2018年3月 6日 (火)

「こと~築地寿司物語~日本の女は強かった」

昨年上演された"こと~築地寿司物語~"の続編が上演されている。
大正期から築地で店を構える"築地玉寿司"をモデルとした舞台劇で
主人公であることさんが日本橋で奉公にあがるところから始まり
関東大震災、太平洋戦争といった歴史的事件を背景に
日本橋から築地への魚河岸の移転、築地での出店といった
ことさんの人生を左右する様々な出来事がお芝居の中で描かれる。

誰しもが思惑を抱え利を求める。
時代を問わず人の振るまいというのは概してそのようなものだが
人生を上手く回している時はなんの問題も無く時は過ぎていく。
しかし、アクシデントが生じたり思惑通りに行かなくなると脆さが表出する。

幾多の困難に直面しながらも常に前に進む歩みを留めず
日本初の女性寿司店主として自ら板場に立ち、老舗寿司店の礎を築いたことさんは
思惑や利得と無縁なピュアな人生を送られた。
だからこその強さ、優しさを惜しみなく周りにもたらすことが出来たのだろう。
それ故に、ことさんは築地の女神と呼ばれ周囲から頼られ親しまれたという。

そんなことさんを演じるのは鳳恵弥さん。
昨年の舞台から引き続きことさんを演じられる。
それ故かことさんを演じる恵弥さんは時代の進むにつれ激変していく環境の中でも
おりおりのことさんを演じ切られているように思える。

後に玉寿司の初代店主となる栄蔵さんはダブルキャストだったが
自分が観た舞台では山本圭壱さんが演じられた。
寿司屋の大将然とした雰囲気がとても感じられる好演だった。
お芝居の途中で日替わりゲストをお客さんとして迎える時間が設けられているが
フリートークに近いアドリブでの会話の折には
それまでの栄蔵さんとは違った目の輝きが感じられ
ゲスト(この日は木根尚登さん)を立てながらも弄り倒す
短い時間ながら芸人さんの真骨頂を垣間見せてくれた気がする。

他にも築地の顔役でもある医師に渡辺裕之さん
勝気な芸妓さんに市川美織さん
活弁士に若井おさむさん
といった多くの方もご存知の方々が出演されている。

公演も前半を消化し明日3/6の休演日を挟み3/11に樂日を迎える。

仕事や勉強といったルーチンに浸かっている人は
時々非日常に触れることでリフレッシュも出来る。
積極的にそんな時間を自分に設定するのは悪くない。
その時間を笑えて泣けるエンターテインメントに振ってみては如何だろう。

20180305d

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