フレームの中のリアル
昨晩NTV系でオンエアされた「世界に誇る50人の日本人 成功の遺伝史」という番組の中で
映画「ブラックレイン」に出演された國村隼さんが巨匠リドリー・スコットからの演技指導の話をされていて
その時に出てきた「フレームの中のリアル」という言葉が印象に残った。
抗争シーンで拳銃を扱う際に撃った後、顔のそばに銃を引き寄せるようにとのことで
演者としては非常に不自然さを感じるものだったそうだが、
リドリー・スコットは「君にとっては不自然でやりにくいかもしれないが、
カメラのフレームの中ではそれがリアルに見えるんだ。」
カメラのフレームの中ではそれがリアルに見えるんだ。」
的なことを言ったらしく國村さんは劇中で銃を扱う時に意識して従ったらしい。
多分、観客の視点を縛らない舞台劇であれば
普通に振舞うことでリアルを見せることが出来るのだろう(誇張はあったとしても)。
普通に振舞うことでリアルを見せることが出来るのだろう(誇張はあったとしても)。
TVや映画のような見る人の視点を意図的に向けさせるものであれば
そのフレームの中で感じられるリアルというのはよりリアルを感じさせるための演出が加わってくる。
そのフレームの中で感じられるリアルというのはよりリアルを感じさせるための演出が加わってくる。
演者として不自然な演技をフレームの中ではよりリアルなものとして印象付けさせる演出。
模型も同じじゃん…と、その時思った。
自分などはリアルに見せる、感じさせるための記号というフレーズはよく使うが、
厳密に考証していくとおかしいと思われることでも、それがあるゆえにリアルに感じる、
例えば関節などにディテールとして入れられる油圧シリンダー風のもの。
未来の金属、塗料、仕上げがどのようになってるかわからないけれど
塗膜の剥がれや錆的な表現を加えることで長時間運用されている機体のリアルを表現出来る。
ディオラマなどもそう。
ブラックボックスのような視線を限定する様式などはその最たるものだが
通常のディオラマも同様で、
「フレームの中のリアル」を意識することで見る人の印象は大きく変わってくる。
「フレームの中のリアル」を意識することで見る人の印象は大きく変わってくる。
慣れないうちは平板な地形の上にMSをレイアウトするくらいでも満足出来る。
やがてディオラマの広さと役者であるMSの大きさを考え適正サイズで構成するようになる。
平板な地形から建物や地形の変化で高低差をつけるようになる。
置かれるMSの状況を踏まえ演技をつけさせる。
フレームの中の世界をよりリアルにするために大道具、小道具などを配するようになる。
全ての作業がディレクターとしての向き合い方になってくる。
更に見る人に作品を通じて表現したいことが全て伝えられるよう構成するようになる。
見る人(観客)を意識することで演出方針は定まり、
何をすべきか、何が足りないのかが感覚的に理解できるようになる。
何をすべきか、何が足りないのかが感覚的に理解できるようになる。
SNSなどで画像をUPする、コンテストに出品する等
他人に自分の作品を見せることを前提に製作する場合、
そうしたことを意識するしないでは与える印象は大きく変わってくる。
フレームの中のリアル、リアルという記号の付与、
モデラーとしてスキルを高め、技法を会得するのに加え、
自らの作品に演出を加えるというのもスゲェ作品を生み出すチカラになるのではないかと思う。
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